【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「魔族のたちは、心無い人々ではありません! 私たちはこの魔族の女性の行動を見ていました! 彼女は王都が傷病者で溢れ返った時、エルシア様と一緒に懸命に患者たちの治療に手を貸してくれていたのです! 皆さん、法は私たちが幸せな生活を送るために作り出されたものですが、全てが正しいわけではないの! 決してそれに流されないで、自分の目で正しいかどうかをちゃんと見極めて下さい!」

 そこに現れたのはプリュムたち聖女の姿だった。全員では無いが、彼女たちもまた仕事の手を止めて私を助けに来てくれた。そしてその中と、魔族たちの部隊の中からそれぞれ一人ずつ魔族の女性が兵士の間をすり抜けてくる。
  
「「エルシア様――っ!」」
「ミーヤ、メイア!」

 息せき切って走ってきた侍女たちは勢いよく私に抱き着くと、大粒の涙を零しながら謝まってくれた。

「助けられなくてごめんなさい、エルシア様……。心配を掛けてごめんなさい、ミーヤ」
「バカね……。どうしてエルシア様をお守りできなかったのメイア! それにあなたのことも! 生きた心地がしなかったわよ!」
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