【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「ははは、うまくダシにされてしまったね。いや……? でもそれならいっそ、派手にお披露目といこうか!」
(えっえっ……?)
そこで何かを思いつき、楽しげな声を出した殿下は……戦装束のマントを翻すと、そのすらりとした身体を跪かせて私の手を優しく取る。大きくは無いがはっきりと通る声が広場によく響いた。
「セーウェルトの聖女、エルシア・アズリット嬢。陛下や私を救い、魔族と人間の懸け橋となってくれたあなたに、私は求婚を申し込みたい。是非、我が国を再び訪れ……次の王妃として、私を隣で支えてくれないだろうか?」
「ええ――――っ!?」
驚きと喜びの入り混じった大歓声が王都を包み、パニックになった私は足元の殿下を見つめながら、その場にへたへたと腰を下ろす。
第二王子とベルケンド陛下が呆れつつも、どこかおかしそうに言った。
「これはこれは、お二人にとって半年の時間は想いを実らせるのに十分だったのですね」
「全く、こんな大胆なことをしでかす息子に育てた覚えは無かったのだがな」
(えっえっ……?)
そこで何かを思いつき、楽しげな声を出した殿下は……戦装束のマントを翻すと、そのすらりとした身体を跪かせて私の手を優しく取る。大きくは無いがはっきりと通る声が広場によく響いた。
「セーウェルトの聖女、エルシア・アズリット嬢。陛下や私を救い、魔族と人間の懸け橋となってくれたあなたに、私は求婚を申し込みたい。是非、我が国を再び訪れ……次の王妃として、私を隣で支えてくれないだろうか?」
「ええ――――っ!?」
驚きと喜びの入り混じった大歓声が王都を包み、パニックになった私は足元の殿下を見つめながら、その場にへたへたと腰を下ろす。
第二王子とベルケンド陛下が呆れつつも、どこかおかしそうに言った。
「これはこれは、お二人にとって半年の時間は想いを実らせるのに十分だったのですね」
「全く、こんな大胆なことをしでかす息子に育てた覚えは無かったのだがな」