【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
二人の侍女は顔を見合わせてきゃあきゃあとはしゃぎ、プリュムや他の聖女たちはぎゅっと手を握り期待の眼差しをこちらに向けた。各国の重鎮たちは、これからの世界の行く末を案じているのか、どこか難し気な表情で言葉を交わし合っている。
私はもう一度、目の前の殿下を見た。すると、彼は事態を面白がるかのように、片目でウインクをし、初めての告白を受けた時の様に穏やかな笑顔で私に頷きかけてくれた。
初めて会った頃はとても真面目で、こんなことをしでかす人だとは思えなかった。
それでも……こんな風に問われるまでもなく、私の気持ちは決まっている。
たくさんの人の前で疑いようもなく、こんなに真っ直ぐに気持ちを示されて、嬉しくないはずがないもの。
よって、私も笑顔になってこう答えた。
「こんな私でよろしければ、喜んでお受けいたします。魔族の国の、素敵な王子様!」
「よし! それじゃこのまま婚約披露といこう! レセル第二王子、街中を回らせてもらってもよろしいですか?」
「ええ、もちろん! ではセーウェルト王都の民よ、我が国の誇りに掛けて魔族の方々を歓待しましょう! これより、本日は《ジュデット・セーウェルト融和記念日》と称します!」
私はもう一度、目の前の殿下を見た。すると、彼は事態を面白がるかのように、片目でウインクをし、初めての告白を受けた時の様に穏やかな笑顔で私に頷きかけてくれた。
初めて会った頃はとても真面目で、こんなことをしでかす人だとは思えなかった。
それでも……こんな風に問われるまでもなく、私の気持ちは決まっている。
たくさんの人の前で疑いようもなく、こんなに真っ直ぐに気持ちを示されて、嬉しくないはずがないもの。
よって、私も笑顔になってこう答えた。
「こんな私でよろしければ、喜んでお受けいたします。魔族の国の、素敵な王子様!」
「よし! それじゃこのまま婚約披露といこう! レセル第二王子、街中を回らせてもらってもよろしいですか?」
「ええ、もちろん! ではセーウェルト王都の民よ、我が国の誇りに掛けて魔族の方々を歓待しましょう! これより、本日は《ジュデット・セーウェルト融和記念日》と称します!」