【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
45.元大聖女、幸せになる
白い光が瞼の裏を照らしたので、私は薄く目を開いた。
開け放たれた窓から爽やかな風と、どこか物悲しいリュートの音が微かに流れてくる。
ぼんやりとした視界の中に、誰かの影が映った。
「おはよう、エルシア」
「おはようございますぅ……殿下」
むにゃむにゃと呟きながら、私は窓のカーテンを開いた殿下をベッドから見上げる。彼はベッドの脇に座ると、寝乱れて顔にかかった私の髪の毛を避けてくれながら笑う。
「二人の時は、クリスでいいって言っただろ」
「はい、クリス……」
そう言って寝ぼけた私はベッドからゆっくり這い出そうとして、その手をずべっと滑らせた。
「なな、なんで貴方がここにいるんですかっ!?」
開け放たれた窓から爽やかな風と、どこか物悲しいリュートの音が微かに流れてくる。
ぼんやりとした視界の中に、誰かの影が映った。
「おはよう、エルシア」
「おはようございますぅ……殿下」
むにゃむにゃと呟きながら、私は窓のカーテンを開いた殿下をベッドから見上げる。彼はベッドの脇に座ると、寝乱れて顔にかかった私の髪の毛を避けてくれながら笑う。
「二人の時は、クリスでいいって言っただろ」
「はい、クリス……」
そう言って寝ぼけた私はベッドからゆっくり這い出そうとして、その手をずべっと滑らせた。
「なな、なんで貴方がここにいるんですかっ!?」