【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
こうしている今も、心臓が激しく脈打つのを感じる。一応これでも初夜は済ませた身なのだが……。ちなみにその時の私の醜態は凄まじく、決して人に伝えられるものではないので、内容は名誉のために伏せさせていただく。
それはそうと、私と相反するように殿下の心臓の鼓動は穏やかだ。時間が経つとやっとそれに引きずられるように、ようやく私の鼓動も収まりを見せてきた。
「私は、こうしているとすごく幸せを感じるよ」
「私だってそれは感じてますよ。でも、今は未だ、どきどきする気持ちの方が強くて……」
私は少し頭を動かし、殿下の顔を見上げた。深い緑の瞳は、少し緩んだ形で私をぼんやりと見下ろしている。よくもまあ、私なんかがこんな綺麗な人と番になれたものである。
そんな気持ちを読み取ったかのように、殿下は呟く。
「言っておくが、私の方から好きになったんだからね?」
「それは……口に出していないだけで、私の方が先かもしれないじゃないですか」
「いいや、絶対こっちが先だね」
「いえいえ……」
「なにおう?」
それはそうと、私と相反するように殿下の心臓の鼓動は穏やかだ。時間が経つとやっとそれに引きずられるように、ようやく私の鼓動も収まりを見せてきた。
「私は、こうしているとすごく幸せを感じるよ」
「私だってそれは感じてますよ。でも、今は未だ、どきどきする気持ちの方が強くて……」
私は少し頭を動かし、殿下の顔を見上げた。深い緑の瞳は、少し緩んだ形で私をぼんやりと見下ろしている。よくもまあ、私なんかがこんな綺麗な人と番になれたものである。
そんな気持ちを読み取ったかのように、殿下は呟く。
「言っておくが、私の方から好きになったんだからね?」
「それは……口に出していないだけで、私の方が先かもしれないじゃないですか」
「いいや、絶対こっちが先だね」
「いえいえ……」
「なにおう?」