【WEB版】追放したくせに戻ってこい？ 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります！ めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく

　しかしやがて神が戻れば、この大地を清浄に保つため、聖人と魔人の血を受け継ぐ者に使命を思い出させ、人は彼らの管理の元、平等で幸福な世界を築くであろう……。

　本には大体そんな感じのことが書かれていた。

「これは……あまり国民に知らせるべき内容ではないですね」
「そうでしょうね。これを知れば、多くの民が魔族や聖女の存在に恐れを抱きかねませんから」

　殿下の言葉に、王妃も神妙な面持ちで頷き、陛下が言った。

「これには、その神が残したであろうという、太古の遺跡に侵入する方法も書かれておった。お主たちふたりにそちらに赴いてもらいたいのだが、構わぬか？」
「ええ、その場所はいずこに？」

　陛下の言葉により、明かされた場所に私たちは仰天する。