【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「しかし、着込んできたけどやはり冷えるね。ほら、エルシア、女性が身体を冷やすのはよくないから、少しくっついていよう」
「あ、ありがとう。クリス……」
穏やかな微笑みを浮かべ、私の半歩後ろで黒髪をフードの中に隠したクリスが私を背中から包み込み、マントの中で温めてくれる。その姿を少し背丈を伸ばしたミーミルが冷やかした。
「あーら、お熱いこと。流石新婚ホヤホヤは鮮度と糖度が違うわよね~、お兄様」
だが、それにクリスも負けじと、どこか楽し気に返す。
「ふふん、羨ましいだろミーミル。エルシアの世話を焼く時のこの幸せ、お前にもお裾分けしてやりたいくらいだよ」
「うぇぇ……甘ったるいこと言わないでよ。胸焼けしちゃう」
そのストレートな言い方に、ミーミルは身体をちょっと離すようにして口を押さえた後、ちらっとレセル様を見た。だが彼は、遠くの景色を見るのに夢中で、それには気付いていない。
「あ、ありがとう。クリス……」
穏やかな微笑みを浮かべ、私の半歩後ろで黒髪をフードの中に隠したクリスが私を背中から包み込み、マントの中で温めてくれる。その姿を少し背丈を伸ばしたミーミルが冷やかした。
「あーら、お熱いこと。流石新婚ホヤホヤは鮮度と糖度が違うわよね~、お兄様」
だが、それにクリスも負けじと、どこか楽し気に返す。
「ふふん、羨ましいだろミーミル。エルシアの世話を焼く時のこの幸せ、お前にもお裾分けしてやりたいくらいだよ」
「うぇぇ……甘ったるいこと言わないでよ。胸焼けしちゃう」
そのストレートな言い方に、ミーミルは身体をちょっと離すようにして口を押さえた後、ちらっとレセル様を見た。だが彼は、遠くの景色を見るのに夢中で、それには気付いていない。