【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「ミーミル王女」
「はっはい!」
彼の細く綺麗な指が、街から伸びる街道の奥に見つけた、小さな影を差す。
空色の優しげな瞳は、王女に優しく微笑みかけていた。
「あちらの方を見て下さい。ほら、角の大きいトナカイが荷物を引いていますよ」
「えっ、どこですか? トナカイってどんなのなんです? あ、あれ……? シカっていうのとはどう違うの?」
「近くに行ってみましょうか。ほら、足元が歩きにくいですから気を付けて」
「はい……」
レセル様が手を差し出すと、借り猫のようにしおらしくなったミーミルが指の先を手のひらにちょんと乗せる。しかしレセル様にそれをしっかりと捕まれ、瞬く間に彼女の顔は桜色に染まった。
顔色一つも変えず、レセル様は嬉しそうにこちらに断りを入れる。
「では少し、私たちは移動します。日暮れ前には宿に戻りますので」
「ええ……くれぐれもお気を付けて。そうだミーヤ、ミーミルについてやってくれるか」
「かしこまりました」
「はっはい!」
彼の細く綺麗な指が、街から伸びる街道の奥に見つけた、小さな影を差す。
空色の優しげな瞳は、王女に優しく微笑みかけていた。
「あちらの方を見て下さい。ほら、角の大きいトナカイが荷物を引いていますよ」
「えっ、どこですか? トナカイってどんなのなんです? あ、あれ……? シカっていうのとはどう違うの?」
「近くに行ってみましょうか。ほら、足元が歩きにくいですから気を付けて」
「はい……」
レセル様が手を差し出すと、借り猫のようにしおらしくなったミーミルが指の先を手のひらにちょんと乗せる。しかしレセル様にそれをしっかりと捕まれ、瞬く間に彼女の顔は桜色に染まった。
顔色一つも変えず、レセル様は嬉しそうにこちらに断りを入れる。
「では少し、私たちは移動します。日暮れ前には宿に戻りますので」
「ええ……くれぐれもお気を付けて。そうだミーヤ、ミーミルについてやってくれるか」
「かしこまりました」