【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
すると、ベッカーがぎろりとこちらに目を光らせた。
「何だ女、私と殿下は今非常に大事な話をしているのだ。口を挟むでない! ……ん?」
そこで私は、大事な内容を書き記した紙片をおずおずと差し出す。
それにはこのようにしたためている。
『《陽炎草》、あります。私の鞄の中に』
「なんだこれは。……《陽炎草》ありますだと……?」
私が押し付けた紙片をじっと見るベッカー。
そう、あるはずだ……もし彼らが私を荷物ごとこちらに送ってくれたのならば、その中に。
「今はそんなことはどうでもいい! そんなことは…………ッ!?」
それをポイっとベッドの上に放り、話を再開しようとするベッカー。
だが彼は、その一瞬のち、ものすごい勢いで紙片をつかみ取ると血走った目で一文字ずつ確認し、三度くらい瞼をこすっては見直す。
「何だ女、私と殿下は今非常に大事な話をしているのだ。口を挟むでない! ……ん?」
そこで私は、大事な内容を書き記した紙片をおずおずと差し出す。
それにはこのようにしたためている。
『《陽炎草》、あります。私の鞄の中に』
「なんだこれは。……《陽炎草》ありますだと……?」
私が押し付けた紙片をじっと見るベッカー。
そう、あるはずだ……もし彼らが私を荷物ごとこちらに送ってくれたのならば、その中に。
「今はそんなことはどうでもいい! そんなことは…………ッ!?」
それをポイっとベッドの上に放り、話を再開しようとするベッカー。
だが彼は、その一瞬のち、ものすごい勢いで紙片をつかみ取ると血走った目で一文字ずつ確認し、三度くらい瞼をこすっては見直す。