【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
毎夜泣き腫らしているのか女性の目元は赤い。
きっと男性のことを一心に思っているのだろう。
彼女は殿下の腕の中の私を見て、不思議そうに目を瞬かせた。
「あら、その子は……。クリスがこの間連れて帰ったという娘さん? どうしてここへ?」
親しげな呼び方からするに、どうやら彼女は王太子殿下の母上であるらしい。
ベッカーが彼女の側に寄って跪き、私のことを説明してくれる。
「シゼリカ王妃、朗報がございます! 実は、王子が連れ帰られたこの者、名前をエルシア・アズリットと申しまして……なんと彼のセーウェルト王国で大聖女を務めていた者だそうです。今は口が聞けぬため、ご無礼をご容赦いただきたいが、この娘が陛下を診察し、特別な薬を処方してくれると」
するとシゼリカ王妃はハッと口を押さえ、ぼろぼろと涙をこぼしだす。
「なんてこと……! ああ、大聖女様」
きっと男性のことを一心に思っているのだろう。
彼女は殿下の腕の中の私を見て、不思議そうに目を瞬かせた。
「あら、その子は……。クリスがこの間連れて帰ったという娘さん? どうしてここへ?」
親しげな呼び方からするに、どうやら彼女は王太子殿下の母上であるらしい。
ベッカーが彼女の側に寄って跪き、私のことを説明してくれる。
「シゼリカ王妃、朗報がございます! 実は、王子が連れ帰られたこの者、名前をエルシア・アズリットと申しまして……なんと彼のセーウェルト王国で大聖女を務めていた者だそうです。今は口が聞けぬため、ご無礼をご容赦いただきたいが、この娘が陛下を診察し、特別な薬を処方してくれると」
するとシゼリカ王妃はハッと口を押さえ、ぼろぼろと涙をこぼしだす。
「なんてこと……! ああ、大聖女様」