【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
「エルシアおはよう……もうすっかり調子はいいみたいだね」
「ええ、おかげさまで」
彼は立ち上がり挨拶をしようとした私を手のひらで制止し、にっこりと笑う。
それにしても、いつもながらの麗しさだ。
今は旅先で来ていた簡素な衣服とは違って、貴族らしい上品な黒のコート姿であるのだけど、すっきりとした服装は彼のスタイルのよさを際立たせており、手足がすらりとしてとにかく決まっている。
でも、こうして見ると穏やかなそうな、争いごとなど知らない王子様といった感じなのに、野盗と戦った時はまるで別人のように鋭い目つきをしていた。
人というのは普段の見た目だけでは本当に測れない。
「とっても似合ってるよエルシア。夜の女神様みたいだ」
「はぁ、ありがとうございます」
なんとも過分な誉め言葉だが、彼が言うと嫌味には聞こえないのが不思議。
「ええ、おかげさまで」
彼は立ち上がり挨拶をしようとした私を手のひらで制止し、にっこりと笑う。
それにしても、いつもながらの麗しさだ。
今は旅先で来ていた簡素な衣服とは違って、貴族らしい上品な黒のコート姿であるのだけど、すっきりとした服装は彼のスタイルのよさを際立たせており、手足がすらりとしてとにかく決まっている。
でも、こうして見ると穏やかなそうな、争いごとなど知らない王子様といった感じなのに、野盗と戦った時はまるで別人のように鋭い目つきをしていた。
人というのは普段の見た目だけでは本当に測れない。
「とっても似合ってるよエルシア。夜の女神様みたいだ」
「はぁ、ありがとうございます」
なんとも過分な誉め言葉だが、彼が言うと嫌味には聞こえないのが不思議。