【WEB版】追放したくせに戻ってこい? 万能薬を作れる薬師を追い出しておいて、今さら後悔されても困ります! めでたく婚約破棄され、隣国で自由を満喫しているのでお構いなく
私は国王に、自分が王太子との婚約破棄によって大聖女の位を追われ、しばしの休暇のつもりで旅に出ていたことを説明する。
いかに緊急の事情があったとはいえ、セーウェルト側からしてみれば王子が勝手にあちらに入国していたのも問題だし、更に私を国から勝手に攫っていったことにもなる。
ただでさえ両国の関係はあまりよろしくない。
なのにこの事が露見して、私の身柄なんかでより戦火が広がる口実になってしまったらと思うと、考えただけでも気が重い。
すると陛下も王妃も呆れ顔でため息を吐いた。
「陽炎草を独占している事からも感じておったが、ずいぶんけちくさい国じゃのう。しかもそなたのように有能で若く腕利きの治癒能力者を罷免するなど、蒙昧ぶりが過ぎるわ。儂らとしては国を挙げてそなたの身柄を守ってもよいと思うが……」
「陛下、それはエルシアの本意ではありませんわ。何があろうとセーウェルトが彼女にとって祖国であることは違いないのですから、争いになれば板挟みになって苦しむことになります」
いかに緊急の事情があったとはいえ、セーウェルト側からしてみれば王子が勝手にあちらに入国していたのも問題だし、更に私を国から勝手に攫っていったことにもなる。
ただでさえ両国の関係はあまりよろしくない。
なのにこの事が露見して、私の身柄なんかでより戦火が広がる口実になってしまったらと思うと、考えただけでも気が重い。
すると陛下も王妃も呆れ顔でため息を吐いた。
「陽炎草を独占している事からも感じておったが、ずいぶんけちくさい国じゃのう。しかもそなたのように有能で若く腕利きの治癒能力者を罷免するなど、蒙昧ぶりが過ぎるわ。儂らとしては国を挙げてそなたの身柄を守ってもよいと思うが……」
「陛下、それはエルシアの本意ではありませんわ。何があろうとセーウェルトが彼女にとって祖国であることは違いないのですから、争いになれば板挟みになって苦しむことになります」