━小さな世界━
第一章
失踪
─ピンポンピンポンピンポーン─
家の中にチャイムの音がせっかちに鳴り響く。
今は1月。
街はまだ微かにお正月の匂いが残っている頃。
まだ日の出が遅く朝6時だと言うのに外は薄暗い。
『はぁ?誰だよ。私寝たばっかだから。』
そう1人呟き掛け布団を頭まで被り
インターホンを無視した。
しかしそんな眠い私をよそにインターホンは鳴り止むことはなかった。