俺が必ずこの女を殺す
あそこに行ったら、ママとパパに会える気がして。

そしたらまた3人で暮らそ、って言おう、って思って…。

私は、咄嗟に家を飛び出した。

場所なんて分かんなかった。

だけどひたすら走って、人が沢山いるところにたどり着いて、そこで私はある貼り紙を見つけた。

あっ…、ここ!!!

電柱に貼られたその紙は、風になびいてペラペラしていた。

少し色あせていたけど、それはあの遊園地のパンフレットで、観覧車が大きく描かれていた。

たちまち頭の中にはママとパパと3人で観覧車に乗った思い出が蘇ってきて頬が緩む。

思わずパンフレットを指さして、私はたまたま近くを通りかかった人に声をかけた。

「こ…っ、、こ。、、!!い…たい!い…、、きたい!!」

ーー‪”‬こ こ ! 行 き た い ! ‪”‬

「ん?ここに行きたいのかい?」

親切なおじいちゃんは、立ち止まって私のか細い声に耳を傾けてくれた。

笑顔で大きく頷くと、おじいちゃんは悲しげに言葉を漏らす。


「ここはもう…、何年か前に潰れちゃったよ?」


え…っ

「あーあ、ダメじゃないか、こんな所にこんな張り紙してたら…、自治会長さんに注意しないとなぁ​───」
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