俺が必ずこの女を殺す
雨が心配そうに顔を覗き込んできて、我に返る。

「だっ、大丈夫です!あれ?柚季……は?」

「あぁ、買い物行ってます!すぐ帰ってきますよ」

「そうですか…」

少し起こした体をまたペタン、と壁に貼り付けると、雨が急に真剣な面持ちで質問してきた。

「澪奈ちゃん、って、柚季さんのことどう思ってるんですか?」

「え?」

「あ、いや!ちょっと気になっただけですから!軽い質問ですよ!」

「あぁ…、そう、なんですね、え、と……」

柚季のこと……。

改めて聞かれると返答に困ってしまう。

モゴモゴと口ごもる私を見かねてか、雨が質問を変えてくれた。

「もしかして、柚季さんのこと…今はもう好きじゃない、とかですか…??」

「……」

その質問に、私は小さく頷いた。

「はい……。」

「……」

柚季の大切な友達にこんなこと言っちゃっていいのか、分からないけど……、

でも……私の本当の気持ちは……

「すみません…」

「いえ、謝らないでください」

しょぼんと、肩をしぼめながらも微笑んでくれた雨。

こうして思い出すだけでも、ドキドキする。
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