俺が必ずこの女を殺す
ーー((まずは、強引に柚季さんの唇を奪うんです!))

背中を押されるように雨の言葉が頭に響く。

もう……、心臓が口から飛び出して来そうでやばいけど……。

けど……

「どうした?まだ眠いのか?……ん…」

顔を上げるとすぐに柚季の唇が目に入って、柚季の輪郭に手を添える。そして私は覚悟を決めてグイッ、と自分の唇に引き寄せた。

私よりも頭一つ分ぐらい身長が高い柚季の唇は抵抗する間もなく、あっという間に私の唇と触れ合う。

「みおな…っ、どうしたんだよ、いきなり………っ、……ん」

動揺させてしまったようで、すぐに唇を離されてしまった。でも1度くっついた唇が離れていく感覚がなんだか寂しくてまたすぐに引き寄せ、キスをした。

……先をせがむような、そんなキスだと思う。

ーー((いいですか?キスをしたら舌を入れるんです!なめらかーにですよ!))

雨に教えてもらったことを必死に思い出す。

え、と……キスの次は…、舌……舌……っ

「…っ、んっ、みお……な、どうし​───…」

どうしよう……。

よく……、、






………………………………分かんない。


手順は全部雨から聞いたはずなのに……!

いざやってみると、なんか緊張とかもあって頭真っ白になってきた…。

どうしよう……。どうしよう…。
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