俺が必ずこの女を殺す
「はぁ…」

思わずため息が漏れる。

でも正直‪”‬嬉しい‪”‬が入り交じる複雑な気持ちだ。

まぁ……。優しい子なんだな。

律儀に俺とのこと、思い出そうとしてくれるなんて。

よし。出るか……。

いつの間にか長風呂になってしまった。

「柚季……っ、あの…」

濡れた髪を拭きながら脱衣場から出ると、先に風呂から出ていた澪奈が待ち構えたように立っていた。

……気、まづいかも、しれない。

そんな感じの空気が流れていることは向こうも察しているようだ。

さっきあんなことがあったんだ。当然といえば当然だ。

「あぁ、どうした?」

「さっきは…変なこと……っ、すみませんでした」

「いや……、」

実は今さっき。
風呂から上がった直後雨から電話があって夕方聞き出してくれた澪奈の本音を全て聞いてしまった。

やっぱりあれは雨の仕組んだことだったらしいが……、

ーー((澪奈ちゃん!柚季さんのこと好きどころか大好きなんです、って!良かったですね!))

ーー((僕が見た感じ、あれはかなり柚季さんにメロメロでしたよ!))
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