俺が必ずこの女を殺す
第5章 俺と一緒に死のう
クリスマスがやってきた。

今日は前に澪奈と約束した遊園地に行く日でもある。

「ゆずきーっ!三つ編みやって!やって!」

「…しょうがねぇなぁ」

まだ6時だっていうのに、澪奈はすでに行く気満々でどういう髪型で行こうか、鏡の前に陣取り真剣に悩んでいた。

理音のこともあるし…、本当はやめよう、と言おうとしていたが、ここ数日今日を楽しみにしている澪奈に、とてもじゃないがそんなこと言えなかった。

ここんとこはずっと家にいるし、出るといっても数時間俺の学校とスーパーに行くくらいだ。

それに、両親を失った澪奈が今までどうやって育ってきたかを知っていたら尚更…、色んなとこに連れてってやりたい、って思ってしまった。

もっといろんなこと経験して‪”‬楽しい‪”‬って感じて欲しかった。

「かわいい!ありがとっ、ゆずき!」

両サイドを三つ編み(俺がやってあげた)して、後ろで1つにお団子にした澪奈が鏡の前で飛び跳ねる。

最初は編み込み、とかいう、ど難しいやつを求められたがさすがに俺じゃ出来なかった。

「どういたしまして」

縛ったことで顔周りの毛がいつもより少なく、澪奈の顔がよく見える。薄ピンクのほっぺがいつにも増して柔らかそうだ。ついぷにょぷにょしたい衝動に駆られる。
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