俺が必ずこの女を殺す
「最初は何乗りたい?」

「えー、と、じゃあ…、か、ん、ら、んしゃ!」

「おぉ、よく言えたじゃん」

先月OPENしたばかりということもあって園内は結構賑わっていた。それに加えて今日はクリスマスだ。手を繋いで歩く恋人たちも大勢いた。

言うまでもなく、その中に俺と澪奈も含まれているのだが。

それから昼過ぎまで観覧車とかメリーゴーランドとか、汽車とか、比較的穏やかな乗り物をハシゴして乗った。

ジェットコースターとか激しい系の乗り物は嫌みたいだ。

物怖じしない性格の癖して、そういうとこはビビりらしい。

でも、いつだって全力ではしゃいで、待ち時間でさえもずーと、俺にペラペラいろんな話をしてくるそんな澪奈を隣で眺めていたら、俺まで自然と笑顔になった。

***

ひとしきり、澪奈が満足いくまで遊んだ後、お昼ご飯を食べよう、と園内にあるパン屋に一緒に入った。ハンバーグ屋とか色々あったが、ここがいいらしい。

「どれ食べたいんだ?」

「メロンパン!」

「はいはい、これでいいか?」

トレーに好きなパンを乗せ、窓際の席に付く。

大きく口を開け、メロンパンを頬張る澪奈を眺めていたら、思わず写真に収めたくなった。

スマホを向けて、1枚だけその姿を撮ろうとしたその時、澪奈がピースした。

「ぴ!」
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