俺が必ずこの女を殺す


「……」

ただ……、久々の遊園地に舞い上がりすぎて、ちょっと探検したくなっちゃって、少しこの場から動いたレベルなら全然いい……。

だけど…、だけどもし……

頭に過った‪”‬もし‪”‬の可能性は……

ーー((……柚季。理音。先に殺した方が幹部にしてやる))

あまりに恐怖を煽るもので、いてもたってもいられなかった。

「すんません!あの…っ、お団子してる女の子見ませんでした!?紺色のダボダボのコート羽織ってて……っ、あ、あと!クマのポシェットも……っ」

道行く人に澪奈の特徴を話し尋ねまくった。

だけど何の手がかりもなく、目撃情報もなかった。

「澪奈ー!!」

だめだ……この人混みじゃ、見つけられそうにない。

理音の…、仕業じゃないよな……?

殺されて、なんて……、いないよな…?

大丈夫だよな……?

ちょっと俺の言うこと守れなかっただけで……、着ぐるみ着た動物かなんかが、風船とかいっぱい持ってて、ちょっと欲しくなってついてっちゃっただけだよな……?

さっき甘いパン食べたばっかだけど……、ソフトクリームとか、ここいっぱい売ってるから……食べたくなっちゃっただけだよな…?

それで勝手にどっか歩いて​────…

「はぁ……っ、はぁっ…」
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