俺が必ずこの女を殺す
総長はバカだ。

一緒に死ぬか。見捨てるか。

そんなの決まってる………。

こいつ見捨ててこの先、生きたって…、多分何も楽しくなんてないんだから。

多分…くま三郎ラーメン見る度に、思い出しちまうんだから……。

ラムネ見る度に……、思い出しちまうんだから……。

遊園地横切る度に……、思い出しちまうんだから……。

俺には……、







愛した女がいたんだ、って​──────。




「俺……、ここいるから……。…な?」

ーーピッピッピッピッ……

触れ合う胸に澪奈の心臓の鼓動を直に感じた。

こうして人間の温かさも鼓動も感じられるのは最後だ。きっと……これが最​────…

「えぇーーーーーーーんっ、うっ、うっ、…えぇーん」

その時。急に声を上げて泣き出した澪奈が俺の肩にコツン、と頭を落としてきた。

「ゆずきっ、なんでそんな泣いてるの…っ、ゆずき泣いてると……っ、私も…っ、悲しい……っ。昨日からずっと泣いてる…っ。なんで…っ??なんで…っ」
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