俺が必ずこの女を殺す
「あらそう、? サツも言ってたけどあの爆弾はホンモノ。だから西島のバカ野郎とかわい子ちゃんを殺そうとしたあいつらは全員殺人未遂で捕まったわ。まぁ捕まる前にあたしが1発ぶん殴ってあ・げ・た・け・ど♡」

ぶん殴った…って…あの総長を、か……?

こいつ…、ただ者じゃねぇ……。

「悪者を成敗する、っていいわねぇ。気分爽快。おかげで最近肌ツヤもいいわ」

……絶対悪者成敗と肌に因果関係はないだろ。

口には出さずして思う。

しかし目の前でお肌プルプルツルツル~、なんてはしゃいでいるティアラの周りには心なしか目に見えるはずのない♪が飛び散っている気がする。

「てかお前……男なんだからレディースじゃな​─────」

「な、に、か?」

ズンっ!と顔を寄せ「あたしは女よ」オーラを放出するティアラに俺はなんでもねぇよ、と言う他なかった。

俺が暴走族の世界に憧れたのはある日施設でティアラに無理矢理見せられた暴走族物のドラマにまんまと感化された為だ。

聞くところによるとどうやらティアラも同じようにあのドラマに感化されたらしかった。

…ったく。なんでこんなとこで気が合うんだ。俺らは。

「ちなみになんて名前のレディースなんだ?」

ふと、気になって聞いてみる。

得意げにこう返ってきた。

「コロコロ軍団よ」

ネーミングセンスどうかしてやがる……。
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