俺が必ずこの女を殺す
「俺な…、お前のこと殺すつもりだったんだ」
「えっ……?」
急に打ち明けられた事実に小さく声を上げてしまう。
私を…?殺す……??
びっくりしてベッド脇の手すりをギュッ、と握る。
「総長の…偉い人の指示でお前を……、殺そうとしてて、だから最初の頃、彼氏、って嘘ついたんだ」
「そうなの……」
「あぁ」
何度も「ごめんな」って謝る柚季は泣いていた。
私も全てを聞いて、なんて言えばいいんだろう、って考えていた。
だけど……頭に真っ先にフッ、と浮かぶのは『よかった』で何より、柚季との記憶を私は何一つ忘れてなかったんだ、って事実がじんわりと胸に溶け込んできて、とても嬉しかった。
「大丈夫だよ!」
あの日。
階段から落ちて、目を覚ますとそこは病院だった。全ての記憶を失って不安でいっぱいだった私の手を、ぷにょぷにょしてたのは柚季だった。
この人、誰だろう、って思ったけど、繋がれた手は私の手よりもずっと大きくて、暖かくてなんか優しい手で。すごく心がポカポカしたのを昨日の事のように覚えている。
まだ何も描かれていない真っ白なキャンパスに、柚季という”彼氏”が描かれていって。
気付いたら私の”はじめて”は全部全部柚季だった。
「えっ……?」
急に打ち明けられた事実に小さく声を上げてしまう。
私を…?殺す……??
びっくりしてベッド脇の手すりをギュッ、と握る。
「総長の…偉い人の指示でお前を……、殺そうとしてて、だから最初の頃、彼氏、って嘘ついたんだ」
「そうなの……」
「あぁ」
何度も「ごめんな」って謝る柚季は泣いていた。
私も全てを聞いて、なんて言えばいいんだろう、って考えていた。
だけど……頭に真っ先にフッ、と浮かぶのは『よかった』で何より、柚季との記憶を私は何一つ忘れてなかったんだ、って事実がじんわりと胸に溶け込んできて、とても嬉しかった。
「大丈夫だよ!」
あの日。
階段から落ちて、目を覚ますとそこは病院だった。全ての記憶を失って不安でいっぱいだった私の手を、ぷにょぷにょしてたのは柚季だった。
この人、誰だろう、って思ったけど、繋がれた手は私の手よりもずっと大きくて、暖かくてなんか優しい手で。すごく心がポカポカしたのを昨日の事のように覚えている。
まだ何も描かれていない真っ白なキャンパスに、柚季という”彼氏”が描かれていって。
気付いたら私の”はじめて”は全部全部柚季だった。