俺が必ずこの女を殺す
第2章 無事でよかった
翌朝。
まだ朝日が昇っていない時間帯に、女を起こさないように家を出た。
肌寒い風が吹き荒れる中、バイクを走らせて10分ほどでたどり着いたのは、人気のない古びた倉庫だ。
***
「柚季」
「はい」
ドラム缶の上で足を組んでこちらを睨みつけている総長に頭を下げ、俺は体制低く地面に膝まづいていた。
顔を上げなくても分かる。
無造作に目にかかる黒髪から覗く鋭い視線からは猛烈な圧を放っていた。
この人は……、俺の属する暴走族
”ダークナイト” の2代目総長。
華奢な体の割に、力の強さは桁違いで、誰も逆らうことは決して出来ないのだ。
総長の頬に無数についた古傷が、どこからが入ってくる朝日に照らされ、さらに総長の強さを物語っていた。
「女の居場所は掴んだのか?」
「…っ、」
総長は低く、落ち着いた声を放つが俺は何も言えず、下唇を軽く噛み締めた。
元はと言えば、俺があの女に近付いたのは幹部への推薦と引き換えに綾瀬澪奈を殺せ、と総長から命令があったからだ。
殺すつもりだった。必ず俺が。
なのに今この瞬間、頭に場違いに頭にフッ、と浮かんでくるのは……
ーー((私ね!ゆずきから離れないよっ、ゆずき好きだもん、ずーっと、一緒にいてあげる!どこにもいかないよ!))
まだ朝日が昇っていない時間帯に、女を起こさないように家を出た。
肌寒い風が吹き荒れる中、バイクを走らせて10分ほどでたどり着いたのは、人気のない古びた倉庫だ。
***
「柚季」
「はい」
ドラム缶の上で足を組んでこちらを睨みつけている総長に頭を下げ、俺は体制低く地面に膝まづいていた。
顔を上げなくても分かる。
無造作に目にかかる黒髪から覗く鋭い視線からは猛烈な圧を放っていた。
この人は……、俺の属する暴走族
”ダークナイト” の2代目総長。
華奢な体の割に、力の強さは桁違いで、誰も逆らうことは決して出来ないのだ。
総長の頬に無数についた古傷が、どこからが入ってくる朝日に照らされ、さらに総長の強さを物語っていた。
「女の居場所は掴んだのか?」
「…っ、」
総長は低く、落ち着いた声を放つが俺は何も言えず、下唇を軽く噛み締めた。
元はと言えば、俺があの女に近付いたのは幹部への推薦と引き換えに綾瀬澪奈を殺せ、と総長から命令があったからだ。
殺すつもりだった。必ず俺が。
なのに今この瞬間、頭に場違いに頭にフッ、と浮かんでくるのは……
ーー((私ね!ゆずきから離れないよっ、ゆずき好きだもん、ずーっと、一緒にいてあげる!どこにもいかないよ!))