俺が必ずこの女を殺す
「あー…はい。そう、です」

たどたどしく頷くと看護師は

「もしかして……」と言ってうふふ、と笑った。

「彼氏さん?」

「は…っ!?」

おそらく点滴の入れ替えをしに来た看護師。

ニヤニヤして俺を見ていた。

まぁ、いいや。ここは乗っておこう。

「あー…はい。そう、です」

「あらー。あらあらー。」

渋々頷くと看護師は俺の顔を穴が空くほど凝視した。そして一言。

「やだ、かっこいいじゃない!あなた!」

「…」

「え?マジすか?」

「えぇ!学校でもモテモテでしょう?」

「あははっ、まぁー」

おー!いいこと言うじゃねぇか!看護師!

「澪奈ちゃん、早く目を覚ますといいわねぇ。ずっと意識戻らないものね…。でも彼氏さんが来たならすぐ戻っちゃうわね!」

確か階段から転げ落ちたの1週間前って聞いたけど、まだ、1回も目覚ましてないのか?こいつ。

結構重症?
俺がわざわざ殺すまでもないんじゃね?

「あ!白雪姫みたいに!あなたがキスとかしたら起きるかしらね!?」

「あははー…、ですかね」

てか話長ぇな、この看護師…。

さっさと出てってくれねぇかな。

「あ、そうだ!ここ座って?」

「え?…あ、はい」
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