龍は千年、桜の花を待ちわびる
第二章
「もう結構街から離れたね…。」
「やっぱり外は良いなぁ。」
1000年ぶりの外を満喫する龍を放っておいて来た方を見やると、街はすでにかなり小さくなっていた。ずっと坂道を登ってきたため、ここからだと街を一望できる。首都だけあってかなり大きな街だったようだ。
「ねぇ、本当に荷物全然持たなくていいの?」
今現在、私は手ぶら。暑くなって脱いだ上着だけを手に持っていた。
「ん? あぁ、俺は人間じゃねぇからな。お前らとは重さの基準が違うから問題ねぇよ。」
「そう…。ありがとう。」
笑顔で言うあたり、本当に皇憐にとっては重くないんだろう。どう見ても重そうなのだが、実は軽いんだろうか。
そういえば、まだ中身を聞いていなかった。
「そういえば、荷物って何を持って来たの?」
「食料だろ、布団だろ、料理道具だろ、あとは縄とか細けぇ物と、お前の着替えだ。」
「…え?」
「ん?」
「私の…?」
「おう。」
「………。」
私はその場に呆然と立ち尽くした。
そうだよねそうだよねそうだよね!? 私ボンヤリしてた! 着替え! 必要だよね!
「安心しろ。お前の下着肌着、服、全部入ってっから。」
振り返った皇憐は笑顔でそう言った。
私はその場に膝から崩れ落ちた。推しに…下着や肌着を…用意してもらった…? 女子高校生にはキツいわ…。
「お、俺は触ってねぇし見てねぇぞ!」
「え!?」
私は勢い良く顔を上げた。私の反応を見て、皇憐は慌てたように付け足した。
「お前の服関係は、女官が用意した物だ! 指示したのは俺だが、中身が見えないよう包まれた物を荷物に突っ込んだだけだ。」
私はそれを聞いて心底安心した。恐らく物凄い笑顔になっていることだろう。涙が出るほど嬉しい。女官さん、グッジョブ…!
私は気を取り直して皇憐の後を追いかけた。
「やっぱり外は良いなぁ。」
1000年ぶりの外を満喫する龍を放っておいて来た方を見やると、街はすでにかなり小さくなっていた。ずっと坂道を登ってきたため、ここからだと街を一望できる。首都だけあってかなり大きな街だったようだ。
「ねぇ、本当に荷物全然持たなくていいの?」
今現在、私は手ぶら。暑くなって脱いだ上着だけを手に持っていた。
「ん? あぁ、俺は人間じゃねぇからな。お前らとは重さの基準が違うから問題ねぇよ。」
「そう…。ありがとう。」
笑顔で言うあたり、本当に皇憐にとっては重くないんだろう。どう見ても重そうなのだが、実は軽いんだろうか。
そういえば、まだ中身を聞いていなかった。
「そういえば、荷物って何を持って来たの?」
「食料だろ、布団だろ、料理道具だろ、あとは縄とか細けぇ物と、お前の着替えだ。」
「…え?」
「ん?」
「私の…?」
「おう。」
「………。」
私はその場に呆然と立ち尽くした。
そうだよねそうだよねそうだよね!? 私ボンヤリしてた! 着替え! 必要だよね!
「安心しろ。お前の下着肌着、服、全部入ってっから。」
振り返った皇憐は笑顔でそう言った。
私はその場に膝から崩れ落ちた。推しに…下着や肌着を…用意してもらった…? 女子高校生にはキツいわ…。
「お、俺は触ってねぇし見てねぇぞ!」
「え!?」
私は勢い良く顔を上げた。私の反応を見て、皇憐は慌てたように付け足した。
「お前の服関係は、女官が用意した物だ! 指示したのは俺だが、中身が見えないよう包まれた物を荷物に突っ込んだだけだ。」
私はそれを聞いて心底安心した。恐らく物凄い笑顔になっていることだろう。涙が出るほど嬉しい。女官さん、グッジョブ…!
私は気を取り直して皇憐の後を追いかけた。