佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

背を向けて歩く零士の背中抱きつく。

驚いて振り返る零士に、しおりは突拍子もなく大胆に宣言するのだ。

「私も一緒に入る」

「えっ、どういうことかわかってる?」

コクコクと首まで真っ赤にさせて頷くしおりは、恥ずかしさより、零士の気持ちが嬉しいと勝っていた。

なので、しおりなりに頑張ったのだ…が。

さっさと服を脱ぎ、隠すことなく大胆に露天風呂に浸かる零士は、しおりの行動を観察しているのだ。

「見ないで」

「なんで?彼女の裸見たい」

まだ、日が高いなか、服を脱いで両手で隠しても、全然隠せていない恥ずかしさ。

艶めかしくなぞられる視線に、全身真っ赤になっていた。

大胆に一緒に入ると言ったが、こんな羞恥心を感じさせられるとは思ってもいなかったのだ。

背を向けてゆっくりと湯に浸かるしおりは、背後に零士が来ていることに気がつかないで、肩まで浸かった。

すると、腰を抱かれて零士の胡座の上に座らされ、いやでも感じる男の昂りを知らしめられるのだ。

「えっ、ちょっと…やっぱり、むり、無理だって。おろして」

言えば言うほど、抱き込まれ感じさせられる。

「いやだ、離さない。わかるだろ…こんな状態で、やっとしおりと恋人になれた男が思うことなんて、ひとつだ」
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