佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
「笑いごとかよ。もっとフォローしろよ。しおりに話したらどうするんだ?」
「大丈夫だ。大好きな先輩が悲しむようなことは言わない女だ。だから、俺からお前に言わせる為に、あんな態度とったんだろ。可愛いよな」
「はぁっ?ほざいてろ。あーくそ。あの女、どういうつもりだ」
香織は、しおりを愛しむ零士の姿を見ているので、二股などありえないと信じているのだが、あの女の態度にあまりにも腹立たしさが湧き、現在の状況になっている。もちろん加賀の言う通り、香織はしおりが悲しむことは言わないのだが。
そして、しおりとの時間を奪われた零士の怒りは、西城 麗香へと向くのだ。
いい加減、けりをつけたい零士には麗香の行動は頭を悩ませる案件だった。
その頃、しおりは、香織達の泊まっていた部屋を探検中。
しおり達の部屋とは違う造りで、長方形の平屋作りだが、高台にあり目の前は、川が流れていて、遠くに見えるあちこちの宿などの灯りが灯り、風情ある景色を堪能できる。
「うわー、全然違うね」
「ですよね。露天風呂があるのは同じですけど、こっちのは、高台で覗かれる心配ないからか、開放的なんですよね。おかげで、大地さん、調子に乗って…」