佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
「うー…しおりの部屋開けて」
「へっ?」
間抜けな声になるのも当たり前だった。
なぜなら、零士の部屋でなく、しおりの部屋と言っているからで、確か、前に、前の男の影があるから嫌だと言っていた気がするしおりは、驚いた。
「はやく」
そう言いながらも、零士はしおりの唇を甘く愛撫し始めて、鍵を探すどころじゃないのだが、なんとか鞄から鍵を見つけ出したら、戯れていた零士に奪われて、開けられる。
ドアが開き、荷物を放り込む零士は、しおりの手を掴み、今度はしおりを玄関内に引き込んだ。
がちゃんとロックがされて、しおりの部屋の鍵を下駄箱の上に放り、しおりを抱き込んでキスが始まるまで、あっという間の出来事。
チュッチュッとキスしながら、お互いの服を脱ぎだす始末。
時折、熱く舌を絡ませて淫らに舐め上げ、情熱的に視線を絡めて、昂る2人の服は、ベットまで一直線に繋がっていく。
このベットで愛し合った前の男など思い出す暇もないほど、零士によって淫らに堕ちたのだ。
しおりが知る今までの前の男との行為がなんだったのだろうと思うほど、激しく情熱的に求められて、しおりも求めて、恥ずかしげもなく、卑猥な言葉を叫んでいた。