佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
いや、言わされていたのだ。
前の男に慣らされた体は、零士仕様に塗り替えられていく。
「やぁぁ…もう、ダメ…れいじ」
「はぁっ…いい。しおりが俺の上で名前呼んで可愛いイクなんてサイコー。待ったかいがあったよ。今度は、俺の番な」
「きゃあ…」
体勢が変えられて、今日、何度目かわからない
行為が再開されるのだった。
零士にとって、しおりに恋してると気づいた時から、全ての女関係を清算し、禁欲状態だっただけに、飽きることなくしおりの柔らかな体を貪り続けて、とうとう、しおりが意識を飛ばすまで止まらなかった。
寝息をたてるしおりの体をなぞり、体を起こした零士は、部屋を見渡す。
初めて入る彼女の部屋は、あちこちに女性らしさが出ていて、自分の部屋と比べ苦笑する。
喉が渇き、勝手に冷蔵庫を開けるのも抵抗があり、寝ているしおりに届いていないだろうが声をかけてから、冷蔵庫を開けたが、何もなく、あるのは封の切られていない水だけだった。
冷蔵庫の中をちゃんと片付けて、旅行に出る生真面目さに、零士は益々、惚れ直すのだ。
封を切り、水をごくごくと飲み干した零士は、しおりの隣に滑り込み抱き込む。