佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
それも、翌日しおりが休みだと抱き潰されて起きれないのに。
「しおりは、今のままでいいんだよ。俺が、彼女の為に何かしたいの」
「じゃあ、私も彼氏の為に何かしたいな。お部屋の片付けしようか?」
しおりが来るようになって、散らかっていた部屋は、だいぶ片付けられているが、ただ、隅に物が集められている感じで、服もソファの背に置かれていた物が、室内の物干し竿にかけら、脱いだ服はランドリーカゴに山積み。
「そんなことさせる為に、しおりは彼女になったわけじゃないよ」
「じゃあ、何したら嬉しい?」
口元をあげて、妖艶な笑みを浮かべた零士が、テーブルに頬杖をついてしおりを見つめてきた。
「明日、お互い揃って休みだろ」
最後の一口を口に運んだしおりは、コップの中の水をごくごくと飲んで、お皿を洗いにキッチンへ向かったのだ。
そこへ、背後に立った零士がしおりの腰を抱き、耳を唇でなぞり、はむはむと甘噛みして、しおりの欲情を引き出した後、艶かしげな声で零士はボソリと呟くのだ。
『抱きたい』
耳をなぞられただけでも、体の奥から甘い疼きがおこり、甘噛みされてゾワリと肌が粟立ち、零士の声にブルリと体を震わせる。
たった半月あまりで、零士により淫らな体になったしおりは、頬を高揚させて目を潤ませ欲情していた。