佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
「いい顔」
後ろを向くしおりの表情に、満足げに笑う零士なのだ。
そして、唇にキスしようとしたのだが…。
「ダメ…」
「なんで?」
「口の中、カレーの味するの」
「俺も、だから気にしない…で」
キスしようと言いかけたが、しおりの中でカレー臭いキスはイヤだったらしく、欲情した顔で睨んでいた。
「歯磨きしてくる」
「なら、俺も」
キスする為に2人並んで歯磨きの図は、なんだか滑稽で、お互いに見つめ合い笑う。
そして、口をゆすいでカレー臭がなくなり、お互いに抱き合って自然と待ちわびたキスをするのだ。
横目に映る鏡に、2人が微笑ましくキスしているように見えるが、鏡に映らない場所では、零士によりしおりは快楽に誘導され始めていた。
鏡に映るしおりは洗面台に両手をついて、目を潤ませ蕩けた表情で艶めかしく吐息を吐いていて、背後に立つ零士は鏡に映るしおりを恍惚とした表情で見つめながら、情欲に溺れて、しおりと快楽にふけっている。
「はぁっ…しおり…」
「ひゃん…いや、…あぁ…」
激しくなる律動に下を向き耐えようとするしおりの顔を掴み、顔を並べて鏡越しに見つめる零士。
「しおり…見て、誰に抱かれてるの?」