佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
最終的にベットにたどり着くのだが、もう、その頃には、何も考える気力もなく、ただ、快楽の波に乗って沈むまで求め合うのだ。
翌朝というには遅い時間に、2人して目を覚ました。
「おはよう」
「…」
ムスッとしているしおりは、口を閉じていた。
「しおりちゃん、おはよう」
ツンツンと頬を突く零士だが、しおりは反応せず我慢している。
すると、ガバッと覆い被さる零士が目上にいて見下ろしてきた。
「なに怒ってるの?」
「わからないの?」
さぁ?ととぼける笑顔に腹立ち、しおりは、そっぽをむいたのだが、零士に無防備な耳を曝け出していた。
耳に口付け、揶揄う声で囁く零士。
『淫らなしおりちゃん、サイコーによかったよ』
揶揄い楽しそうに笑う零士は、体を起こすのだ。
そんな零士の背に向けて、しおりは枕を何度も投げつけて、羞恥心を誤魔化すのだ。
零士は、そんなしおりが可愛くて仕方なく、枕ごとしおりを抱きしめる。
「揶揄ってごめん。理性が効かなくて、しおりが恥ずかしがることいっぱいさせたから、怒ってるんだろ?自分でも照れ臭いんだよ。許して。ねぇ⁈」
照れ臭いとそんな事は微塵も思っていない零士だが、大好きなしおりを前に、しおらしく落ち込むのだ。