佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
パーティーがつつがなく終わり、零士は弁護士先生と一緒に、約束の場へ。
そこにはやはり、西城 麗香がいて、左右に両親も笑顔で出迎えてきた。
だが、弁護士先生のバッチに気がついて頬を引き攣らせるのだ。
「先ほどぶりですね」
「本日は、お見合いの場だと思うのだが、なぜ、そちらの先生がご一緒なのだろう?」
弁護士の霧島先生は、対面に「失礼します」といい座るので、零士もその隣に腰掛けた。
「私、東雲グループの弁護士をしております。霧島と申します。早速ですが、こちらをご覧ください。こちら東雲 零士さんのストーカー被害状況です」
「それは大変ですね。ですが、うちと関係があるのですか?」
「はい。そちらのお嬢様、西城 麗香さんは、3年前から、執拗に零士さんに付き纏っています」
「何を言う。うちの麗香がそんなことするはずがない。君たちは付き合っているんじゃないか」
「ご両親としては、信じたくない話でしょう。ですが、事実なのです。3年前の東雲グループの創立パーティーで、零士さんとお会いした後からですよね」
麗香を見る霧島先生に、麗香は毅然とした態度でいる。
こういう女は、自分が悪いことをしている自覚がないのだ。
「3年前といえば…」