佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

「そうです。成人なさったお嬢様が社交の場にお出になりだした頃です。そして、ストーカー行為が始まったのです。初めは、零士さんの周辺、住まいや女性関係ですね。後をつけたり、偶然を装って接触してたのでしょうが、それがエスカレートしだしたのは、芝園にお勤めになられてからです」

「どうしても芝園で働きたいというから、父にお願いして、会長に便宜を図ってもらった」

「既に、その頃に零士さんは麗香さんの接触に困惑なさってましたが、お爺さま同士知人ということで、無下にされることはなかったのです。それをお嬢様は、ご都合よく解釈されて、零士さんの住む、マンションにお引越しされ、度々尋ねられ、勝手に合鍵まで作られ住居侵入。精神的に追い詰められた零士さんは、セキュリティ面があるマンション一棟を購入されるほど追い詰めらてます。所有者になれば、住居人も把握できますからね。ですが、マンションの外では度々、後をつけられていたそうです。そちらのお嬢様が雇われた探偵かもしれませんが」

「いや、勝手に合鍵を作ったとか信じられない話なんだが、東雲家の人間なら、コンシェルジュがいるマンションに住んでいたんだろう。それなのに、どうしたらそんなことがおこるんだ?本当にうちの娘なのか?」
< 141 / 182 >

この作品をシェア

pagetop