佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

何かを察した加賀は零士にニンマリと笑い、肩を叩く。

「こっちの世界にようこそ」

「…違うわ。俺は変態じゃない」

男達は、いつか彼女に着せたいと願望を抱いているのだ。

当日に向けて、彼女達は、それぞれの休日を利用して隠れて生チョコを作る。

しおりは、13日、14日と休日が取れたので、余裕もって生チョコを完成させラッピングして、自分の部屋の冷蔵庫に隠したのだ。

そして、さすがにあの下着を着る勇気はなく、当日だが、零士用のプレゼントを探しにでかるのだ。

その様子を敵意を向けて見ている人影に気がつかず、男物のプレゼントを物色して回る。

運良く、零士好みのネクタイを見つけたしおりは、プレゼント用に購入して帰宅したのだ。

その後をつけている人物がいて、危険視して見守っていた人物もいるのだが、しおりはそれに気がつくことは一生ないのだ。

護衛していた男の通報により呼ばれた警察官は、零士に連絡し、事がおこる前に、危険視している人物を取り押さえることになった。

「西城 麗香さん…荷物をあらためさせていただきます」

胸に抱いていた鞄の中には、鋭利な刃物が入っていた。

それを確認し、まだ繋がっている零士に報告する。

「予想通りでした」

『警察に連れて行ってくれ。刃物所持だけでも、西城は終いだ』
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