佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

「あははは…お前の彼女サイコーだな」

「俺の選んだ女だからな」

聞き覚えのある声に、2人は振り返った。

そこには、ここにいるはずのない男達がいる。

「零士」

「大地さん、どうして…」

「香織のSNS見て追いかけてきた。隠しててごめんな。仲直りしてくれるか?」

ソファの上から飛び越えて、加賀に飛びつく香織を愛しげに抱きしめるのだ。

「来てくれて嬉しい。どうしてわかったの?」

男達は、顔を見合わせて苦笑い。

「まぁ、見覚えのあるロビーだったからだよ」

必死に、手がかりを探したなんて言えないのだ。

「そっか…今日、この後帰るの?」

「まさか、部屋を取ったよ。朝一で帰るけど、仲直りしないか?」

「うん、する。しおりさんも仲直りしてくださいよ」

香織が加賀と仲良く消えていった後、隣にドサリと零士が座った。

「楽しかった?」

「…うん」

しおりの手を握り、手の甲に口付ける零士。

「話さなくてごめんな。しおりにはありのままを見て欲しかったんだ。こんな俺は、もう嫌い?」

「聞いてたんでしょ」

「なんのこと?」

すっとぼける零士に呆れるしおりは、苦笑して答える。
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