佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
3
翌日、むしゃくしゃしたまま家を出ようと玄関ドアを閉めようとしたら、缶チューハイとおつまみが入ったコンビニ袋がドアノブにかかっており、マジックで、『ごめん』と書いてあった。
「何がごめんよ」
文句を言いながらも、しおりは、冷蔵庫に入れる為にもう一度部屋の中に戻っていく。
そして、何を思ったのかストックしてある箱菓子にマジックで怒り顔の絵文字を書いて、隣のポケットボックスに投入した。
満足顔で、しおりは仕事へ向かったのだ。
大きな窓には、お子さんがつけた指紋がびっしり。だが、しおりは、鼻歌を歌って窓を吹いていた。
「しおりさん、今日もご機嫌ですね」
「そう?」
「何かいいことありました?」
脳裏に過ぎるのは、東雲とのキスで、慌てて振り払い、今度は力任せに窓ガラスを吹き上げる。
そんなしおりに、香織は、怪訝顔で見つめる。
その日から、しおりと東雲との間で、おかしなやり取りが始まり、お菓子やドリンクを入れた袋をお互いのドアノブにかけあう。
東雲の方は、下手くそな絵と一言を添えてくるが、しおりは、怒っている態度で10日ほど続けていた。
朝、ドアノブにかかっていたドリンクを持って出勤すると、休み明けで出勤してきた香織の目が腫れていた。
「何がごめんよ」
文句を言いながらも、しおりは、冷蔵庫に入れる為にもう一度部屋の中に戻っていく。
そして、何を思ったのかストックしてある箱菓子にマジックで怒り顔の絵文字を書いて、隣のポケットボックスに投入した。
満足顔で、しおりは仕事へ向かったのだ。
大きな窓には、お子さんがつけた指紋がびっしり。だが、しおりは、鼻歌を歌って窓を吹いていた。
「しおりさん、今日もご機嫌ですね」
「そう?」
「何かいいことありました?」
脳裏に過ぎるのは、東雲とのキスで、慌てて振り払い、今度は力任せに窓ガラスを吹き上げる。
そんなしおりに、香織は、怪訝顔で見つめる。
その日から、しおりと東雲との間で、おかしなやり取りが始まり、お菓子やドリンクを入れた袋をお互いのドアノブにかけあう。
東雲の方は、下手くそな絵と一言を添えてくるが、しおりは、怒っている態度で10日ほど続けていた。
朝、ドアノブにかかっていたドリンクを持って出勤すると、休み明けで出勤してきた香織の目が腫れていた。