佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
合コンの日程は、それぞれのツレの予定を確認してからとなりドアを閉めたのだが、花束を抱えたしおりは、今まで感じたことのないほど心が浮き立ち、辰巳の時とは違う、素を出せる自分に驚いてもいた。
翌日、香織に昨夜のことを伝えることにしたのだが、別の意味で香織のテンションが上がってしまった。
「どういうことですか?合コン嬉しいですよ。でも、その経緯が、面白い、いえ、詳しく知りたいです」
興味津々で目を輝かせる香織に、しおりは負けて、大まかに説明することになる。
「この間の東雲さん」
『あの極上のイケメン』
「お隣さんで」
『運命的な出会いで』
「親しくなって」
『アプローチされて』
「合コンしましょうって誘ったの」
『デートしましょうって誘ったんですね』
「香織、自分のいいように解釈するなら、この話無しにするよ」
「うわーダメ、ダメです。芝園ですよ、合コン楽しみです」
香織は、いつでもいいということで、東雲さんとツレの男性の都合に合わせることで話がついた。
それを隣の部屋へ報告に来たのだが、玄関前でと言うと、人目もあるので、玄関内で話している。
「部屋入れば?」
「大丈夫です」