佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
「なに?俺と加賀が仲良いの不思議なんだろ?」
よく分かりましたねと、大きく頷くしおりに苦笑する東雲。
「タイプ違うのに、なぜだか馬が合うんだよ」
へーと、前の2人を見るしおり。
香織が主に話しているが、楽しそうに笑う加賀も満更でもない様子に安心する。
東雲に顔を近づけて小声で、ヒソヒソと会話しだすしおり。
「いい人紹介してくれてありがとう」
「2人がどうなるかもわからないし、付き合った後でどんな奴か知っても怒らないでな」
「どういうこと?」
「仲良いって言っても、プライベートまで知るほど仲良い訳じゃないからな。真面目に見えてムッツリで変な趣味をもってる奴もいるだろ」
ジロッと東雲を睨んだが、両手を顔の横で広げて、不可抗力だとポーズをとる東雲が腹立たしくなる。
不意をついて「俺は、ノーマルだから大丈夫だよ」と耳打ちしてくる東雲の声のせいで、背筋に甘い痺れがはしる。
思わず、東雲の顔面を手のひらで押し返したら、その手首を掴んだ東雲は、手の甲を見てニヤリと笑った。
「俺に会う為にネイルしてきたの?」
「ち、違います」
「しおりさんと東雲さん、仲良いですね」
それを見ていた香織は、言わずにいられなかったようだ。