佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
6
12月中旬に入り、クリスマスプレゼントで、予約が殺到する時期になる為、どの店舗も人気の携帯は争奪戦となり在庫をおさえるのに必死でいる。
年が明ければ、受験シーズン到来で、あちこちの店舗で合格発表と共に、子どもを連れた親が殺到し休暇時間を削って応対することになる。
しおりは、泣いて悲しみにくれている暇もないことに感謝しているが、他のスタッフは毎年のことながらげんなりしている。
楽しみといえば、クリスマスだろう。
香織もできたばかりの彼氏、加賀とイブにクリスマスデートするらしく、浮かれている。
「ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る…」
有線に合わせて歌いだす始末。
「お客様がいないからって、歌わない」
店長に怒られるのだが、「すみません」とペロリと舌を出して鼻歌が始まる。
しおりは、苦笑しつつ、楽しい時期だものねと、香織を眺めるのだった。
その日は、定時で終わり、珍しく香織からご飯を誘ってきたので、近くのファミレスにきていた。
「しおりさん、そろそろ何があったか聞かせてくれませんか?」
「あっ、心配かけてごめんね。実は、言いにくいんだけど、彼氏と別れたの」
「やっぱりでしたか。しおりさん大丈夫ですか?」
年が明ければ、受験シーズン到来で、あちこちの店舗で合格発表と共に、子どもを連れた親が殺到し休暇時間を削って応対することになる。
しおりは、泣いて悲しみにくれている暇もないことに感謝しているが、他のスタッフは毎年のことながらげんなりしている。
楽しみといえば、クリスマスだろう。
香織もできたばかりの彼氏、加賀とイブにクリスマスデートするらしく、浮かれている。
「ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る…」
有線に合わせて歌いだす始末。
「お客様がいないからって、歌わない」
店長に怒られるのだが、「すみません」とペロリと舌を出して鼻歌が始まる。
しおりは、苦笑しつつ、楽しい時期だものねと、香織を眺めるのだった。
その日は、定時で終わり、珍しく香織からご飯を誘ってきたので、近くのファミレスにきていた。
「しおりさん、そろそろ何があったか聞かせてくれませんか?」
「あっ、心配かけてごめんね。実は、言いにくいんだけど、彼氏と別れたの」
「やっぱりでしたか。しおりさん大丈夫ですか?」