佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
それでも、カップラーメンを食べるより、栄養バランスはいいはずだ。
「お腹空いたよね。食べよう」
昨日の豪華な食事には程遠いが、零士は、美味しそうに食べてくれる。
「はー、食べた。お腹いっぱいだ。美味しかったよ」
「いっぱい食べてくれて、嬉しい」
照れた笑いで、頬を染めるしおりに、零士は、愛おしさが増して、手招きしてしおりを呼ぶ。
「ちょっと、おいで」
テーブルを回って、零士の側へ行くと、あぐらをかいていた膝の上に後背位で抱き抱えられ、驚くしおり。
「きゃあ…ちょっとなんなの?」
「んー、お腹いっぱいになったから、今度は、しおりを補充中」
髪に頬擦りしてくる零士。
「いい匂い…おれ、この匂い好き」
クンクンと首まで下がり、鼻先が皮膚を撫でていき、羞恥心から抵抗したのだが…
「やだ、匂い嗅がないで」
「なんでだよ。ずっと、しおりからほんのりと香ってた甘いにおい。こうしてずっと嗅ぎたかったんだから、嗅がせて」
お腹を抱きしめてられて首まで赤くなっていった。
「色、白いよな…ここにキスマークつけたら、どうなるんだろ」
零士の艶めかしい掠れた声に、しおりは、咄嗟に両手で首をガードするのだ。