佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

「好きになるまで何もしないから、俺を知ってほしいって言われたの。友達以上恋人未満ってところかな」

「おー、東雲さん頑張ったんですね。でも、好きな人といてエッチできないって、コクじゃないですか?」

「やっぱり。男の人にとって辛いよね」

「そうだと思います。私は、体から始まる恋もあると思う派なので、大地さんとは、しちゃいましたけど。おかげで、エッチって、その人の性格が出るんだとわかりました。前の彼は、自分本位のエッチをする人で、私のことを考えてくれない人でしたけど、大地さんは、なんていうか意地悪だけど、優しくて、私の気持ちを優先してくれたんです。それに、体の相性もいいとなったら、好きになっちゃいますよ」

「そうなの⁉︎」

香織と加賀の、そんな話が出ると思っていなかったしおりは、驚き顔になる。

思っていることを口に出してしまう香織は、失言にペロリと舌をだした。

「まぁ、しおりさんも難しく考えなければどうです?キスはしてるんでしょ?」

「まぁ…」

「きゃあ…キスしてるんですね。キスできるぐらいですから、東雲さんのこと嫌いじゃないってことですよ」

うふふと、揶揄うような笑いに、しおりは、自分が失言したことを知り、顔を赤らめるのだ。
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