佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
酔っているしおりは積極的で、大胆に自らも唇を重ねてくるので忍耐力を試されているようだが、止めれるほど意思は強くなく、甘い吐息を吐くたびに、ギリギリの精神で口内まで舌を入れることは我慢して、しおりの唇を丹念に愛撫する零士。
夢中になり過ぎて、腕の中に重みを感じてやっと、しおりが寝息をたてていることに気がついた。
「はぁ、煽るだけ煽って寝るなよ」
苦笑して、寝ているしおりの鼻先を突いていた。
そこへ、花火を見終わった2人が戻ってきて状況を察した。
「そろそろ、俺たちは戻るか」
「そうですね。ちゃちゃとここ片付けます」
零士はその間に、しおりを横抱きにして立ち上がり、ベットへ向かった。
カップル2人が、テーブルの上を片付け終わり、ニヤリと笑う。
「じゃあ、明日は別行動で」
「おやすみなさい。しおりさんに一緒できなくてごめんなさいって伝えてくださいね」
「はぁ?別行動⁈伝えておくよ。おやすみ」
ニヤリと笑う2人が、この短時間で何やら企てたらしいと察した零士は、苦々しく思う。
そして、2人を見送り鍵を閉めてベットで眠るしおりの元へ戻るのだ。
隣に入り、腕枕しながらしおりを見つめる。
「今お前は、どこまで俺に堕ちてきてるんだ?」