その執事、プライベート立ち入り禁止につき
「あの私、走って行けるので・・・」

聞こえているはずなのに、千田さんは私を無視して車のエンジンをかけて走り出した。

「あの!」

「そんなに大声を出さなくても聞こえてる。余計なことは言うな」

千田さんのはっきりした物言いに怖気付きそうになる。

でも・・・


「では、残業代をつけておきます」


「は?」


「私たちの関係は主人と執事であり、雇い主と従業員です。雇い主は従業員にしっかりとした労働環境を提供する必要があります」
< 34 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop