その執事、プライベート立ち入り禁止につき


「だから玲紗のお母さん、つまり私の娘にも勝手にお見合いを用意したの。そして、強引に進めた。娘が大好きだったわ。幸せになって欲しかった」

「由緒正しい家柄の人と穏やかな家庭を作ることが幸せだと思ったの。でも、あの子は自分で自分の幸せを掴んだわ」

「私は不安で娘を怒ってしまった。でもね、夫の葬式で玲紗に会った時に私は絶対に間違っていたのだと確信したわ」

「だって、玲紗のような優しい子を育て上げたんですもの。私が思っていたより、娘はずっと大人だったわ」


そして、祖母は優しく笑った。
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