その執事、プライベート立ち入り禁止につき
書斎で秘密は明かされる
5年前。

まだ高校生だった私は、お小遣いを使って祖母の家に行っていた。

あの日は小雨が降っていた。

でも、祖母の家の前で傘もささずにうずくまる男性。

男性の髪は顔が隠れるくらい伸び切っていて、とても小綺麗とは言えなかった。

きっとそれが20歳の千田さんだった。


「大丈夫ですか?」


私が近づくと、その男性の腕や首に打撲痕があるのが見えた。

ふらついた男性を近くの公園の屋根のあるベンチに連れて行き、話を聞いた。
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