その執事、プライベート立ち入り禁止につき

「あの家はいつも綺麗でしょう？もう歳だった私が一人で管理していたわけではないの」

「どういうこと・・・？お婆ちゃん」


「私には一人だけお世話をしてくれる人、つまり執事がいるの。住み込みでお世話してくれたわ。でも私ももう歳だから、好きなことをして欲しいとお願いしたわ。でも、もう自分は石本家に忠誠を誓った身だと言って聞かないの」

「ねぇ、玲紗。私から一つのお願い。もしあの家を売るなら、その執事の次の就職先が見つかってから売って欲しいの」

「そして、もし売らないのなら、きっとあの執事はずっとあの家を綺麗に保ち続けるわ。だから、たまにで良いから様子を見に行って欲しいの」


祖母がベットから上半身だけを頑張って起き上げて、私に深く頭を下げる。