今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


アンは自室のベッドに転がって枕を抱き締めながら指輪に話しかけた。


「どうしてミカエルが行くの?」

「強いからだろ?」

「ミカエルが?」

「俺が」


フッと何を今更感で笑うミカエルだが、アンは首を傾げる。


確かに乙女ゲー本編においては暴力魔法の名手として頼りになる存在ではあった。だが、校外の魔法生物狩りに駆り出されるほどの実力者、とまではいかなかったはずだ。


ミカエルルート終盤でラスボス魔王と対峙して初めて、その才能が超爆発!


ヘレナと力を合わせた愛の力で辛くも魔王を倒す!というのが乙女ゲーム本編の筋書きだった。

< 100 / 214 >

この作品をシェア

pagetop