今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─
「お、聞いてた。そういうことだ」
「ほう……」
「魔王になれるって言われてる」
「ミカエルは性格的にも魔王的大魔法使いが似合うよね」
「アンの発想はいつも面白いな」
ハハッ!とミカエルは快活に笑い飛ばしたが、アンは笑えなかった。
(あんまり強くなり過ぎるのも、乙女ゲー本編との乖離が心配……あんまりストーリー変わると私の断罪ルート復活とかありそうで怖い……)
最初はミカエルの身を案じていたアンだが、これからの乙女ゲーへの影響を考えてすでにわが身が心配になる。
「面倒だけど、国王には良い顔をしておかないとな」